×1 ダメ男、離婚す
「では、調停調書を読み上げます。申立人と相手方は、本日、調停離婚し、相手方は本日より10日以内に届出をする。申立人と相手方は・・・」
無機質な調停室で調停委員の声が聞こえてきた。
喜びとか悲しみという感情ではなく、ただただ安堵の気持ちと、本当に離婚が出来たのかという、信じられない気持ちの僕は、ぼんやり調停委員を見つめていた。
この離婚が決まるまで、実に4年という歳月が流れていたのだから、信じられないのも仕方ないだろう。
浮気や借金、DVといった流行りの離婚事由があったわけではない、所謂「性格の不一致」という離婚。僕はダメ男だったけど、向こうもダメ女だっただけなのだが。
そんな僕の記憶を綴っていこうと思う。